流れに従ひて己を失はず.

日々の研究について書きます

社会人博士課程学生周辺の環境について情報共有

社会人博士課程学生である私の周りの環境についての話.
自分の振り返りを兼ねて書きます.
この記事は社会人学生 Advent Calendar 2019の12日目の記事です.
adventar.org


・概要
大学院:情報理工学系研究科システム情報学専攻.2017年9月入学,2019年12月現在でD3.光学デバイスを用いた計測及び情報提示システムの研究に従事.
会社:2016年4月入社,2019年12月現在で4年目.職務内容は情報処理周辺の研究開発業務.

・時系列
2016年3月 修士修了
2016年4月 入社
2017年1月 博士号を意識&先輩各位から社会人博士のアドバイス
2017年3月 先生に相談
2017年6月 出願書類提出
2017年8月 入試
2017年9月 合格発表&入学

・会社のこと
職場は研究開発なので,博士号取得が推奨されています.自分の周りでも社会人博士に通っている人も何人かおり,直属の上司も通学中という状況,同期でも何人か通学してます.
社会人博士をサポートする支援制度も職場に存在しています.支援内容は,入学金・授業料・通学交通費の一部が補助されるという金銭的な面と,業務に支障が出ない範囲での平日日中の通学が認められる(大体週1日か半日というケースが多い)という時間的な面の2つです.支援対象となるにはいくつか基準があり,入社後3年半以上経過していること,入社後一定の研究成果があること,などがあります.自分の場合は入社(2016年4月)から1年半後の2017年秋入学だったため,3年半経過後の2019年10月から支援対象になり,現在は金銭面と時間面のサポートを得ました.
職場で周りの人に相談しても,ほとんどがポジティブな反応でしたが,一方で年次が若く前例が無いことを理由に反対・心配される事もありました.まあそれは2年目の終わりにある研修員発表(この苦労を経験してやっと一人前になったな!うん!というイベント)があるからだったのだろうな,と今から考えると思います.実際のところ,私見ですが大変なこともいろいろあるけれど,年次が進むと職務に加えて役職・委員の仕事が増える&ライフステージの変化があるので,行くなら若い時期から進学したほうが良いと思います.
※ここらへんの,会社の制度や待遇,そして平日何日くらい大学に行けているかの情報がもっとネットに集まってくるといいなあと考えてます.

・大学のこと
私は出身研究室に再び入れていただくこととなりました.先生にご相談させていただいてから入学までの半年間は,入試の準備と入学後の研究の下準備を進めていました.6月提出の出願書類にすでに研究計画書を入れなければならず,ビジョンが固まっていない状態でしたので作成に苦労しました.あとは,社会人博士なので「職場としてこの人を通学させていいと考えてる」ことを証明する書類を会社に作ってもらって出願時に大学に提出しました.
入試は専門科目と英語,研究内容のプレゼンがありますが,自分の場合修士の出身研究科ということで専門科目と英語は免除でした.研究内容のプレゼンの内容は修士の研究紹介と博士課程での研究計画です.出願書類でも大変でしたが研究計画プレゼンの準備が結構大変でした.あんまりできるビジョンが見えていすぎても駄目だし,全くできる気がしなくても駄目なのでそのへんの塩梅が難しかったです.先輩方からは「大丈夫だよ〜」と言われてましたが,プレゼン前は結構緊張しました.落ちる人は落ちます.
8月23日にプレゼンがあって,9月4日に合格発表でした.プレゼン後の質疑の雰囲気は良かったのでそこまで心配はしていなかったんですが,掲示をみてやっと一安心という感じでした.
社会人博士が受けられる金銭面のサポートとして,博士課程研究遂行協力制度(参考:https://giju.t.u-tokyo.ac.jp/eejim/wp-content/uploads/2018/05/web_guide_suiko_20180531.pdf)というものがあります.半年間月5万円支給なので学費に充てることができ,とても助かりました.
授業は,博士課程研究以外に通算4コマ8単位を取らなければなりません.修士のときに余分に単位をとっていれば博士課程での修了要件の単位数に加えることができたんですが,私はとっていなかったので講義をとる必要があります.大学を出た後にとっておけばよかったなと思っていた,他分野の講義をとるようにしました.
本来は博士課程学生がやらなかればならない研究室の仕事を免除していただいており,研究室の関係者各位には頭が上がりません.

・普段の生活
土日休み,平日4日会社,1日大学です.
夜は自宅で毎日だいたい21時〜24時で作業します.大学に行く日には装置を組んだりこれを使った実験をしてます.シミュレーションや調べ物,コーディングは自宅からやってます.基本的にゲームやったり工作したりなどの時間は無いですが,週2回は身体を動かす時間を確保できている状況です.